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2023.06.19

横浜まち情報

定番から斬新な創作和菓子まで味わえる「御菓子司 わかば」

定番から斬新な創作和菓子まで味わえる「御菓子司 わかば」

東京ガス横浜中央エネルギー(ヨコエネ)は、横浜市内の8つの行政区(西区・神奈川区・港北区・都筑区・青葉区・旭区・瀬谷区・鶴見区)にて、東京ガスのサービス窓口を担当しております。そこで、日々地域のお客さま先で働く私たちだからこそ知っている、地元のお店情報をご紹介します。

今回取材したのは、横浜市港北区大倉山に2店舗を構える「御菓子司(おんかしし) わかば」さん。東京ガスライフバル横浜港北 大倉山店の近くの和菓子店です。長年に亘り地域のお客さまに愛される和菓子には、ちょっと意外な組み合わせの一品がありました。

目指すは「うますぎない」毎日食べたくなるお菓子

目指すは「うますぎない」毎日食べたくなるお菓子

駅前の「大倉山エルム通り商店街」を抜けた先に、年季の入った看板とエンジ色ののぼりが目を引くお店、「御菓子司 わかば本店(以下、わかば)」があります。

「わかば」さんは1965年創業の和菓子屋さん。団子やお餅を中心に、常時50種類以上のお菓子を販売しています。2代目店主の星野さんは「和菓子の美味しさは餡(あん)で決まる」という考えから、厳選した北海道産の小豆を使用し、生菓子は店舗内で毎日手作りしています。こだわりの和菓子はお団子1本97円(税込)〜とお手頃価格です。

お客さまは20〜30代の若い方からお年寄りまで幅広く、常連さんは2〜3日に1回来店される方もいるのだとか。星野さんは「高級なフランス料理はものすごく美味しいけど、毎日食べたいとは思わないでしょう?だから、“うますぎない”毎日食べたくなるお菓子を作っています」と微笑みました。

お店の目の前には幼稚園があり、帰りに寄って帰る親子連れも。ときにはちょっと緊張した面持ちのお子さんが、「はじめてのおつかい」に来ることもあるのだそうです。

「わかば」さんは近隣の「大倉山公園梅林」で開催する「梅まつり」に毎回出店しており、その日は1,500個ほどの団子やお餅が飛ぶように売れるのだとか。「わかば」の和菓子が「梅見」の定番となっている様子がうかがい知れました。

オリジナリティ溢れる「甘すぎない」創作和菓子

オリジナリティ溢れる「甘すぎない」創作和菓子

店内は和の佇まいの中に可愛らしい手書きのPOPが並び、親しみやすい雰囲気です。ショーケースにはバラエティー豊かな団子や大福・どら焼きなどが並び、どれにしようか迷ってしまうほど。
「昔の和菓子は、日持ちさせるためにこってりと甘くしなければいけませんでした。設備が整った今は、甘すぎない和菓子もたくさんあるんですよ」と豆知識を教えていただきました。

梅大福
梅大福

王道の「豆大福」や春を感じさせる「道明寺」など誰もが知る和菓子も好評ですが、大倉山公園の梅を使用した「梅大福」は特に若い方に人気の商品。中には白あんとともに梅酒の梅が入っており、さっぱりした味わいでした。

もう少し甘さが欲しい方には、大福を焦がし醤油にくぐらせて海苔を巻いた「いそべ大福」や、あんこ入りのお団子にみたらしのたれをかけた「こがね団子」もおすすめ。どちらもあんことみたらしが一度に味わえる、ぜいたくな一品です。

「いつも同じ品揃えの和菓子屋も多いけど、お客さまには買い物を楽しんで欲しいから」と、季節限定でさまざまな和菓子も作っています。春の「さくら団子」に、夏は「レモン羊羹」。秋の十五夜にはお子さんも喜ぶ「うさぎまんじゅう」、冬のバレンタインにはハート型の「バターレーズンどら焼き」など、ほかにはない商品にもお目にかかれます。

不動の人気ナンバーワン商品「カフェオレ大福」

不動の人気ナンバーワン商品「カフェオレ大福」

老若男女問わずお客さまが訪れる「わかば」さんですが、不動の人気ナンバーワン商品は一風変わっています。伝統的な手法に洋菓子のテイストを加えた、その名も「カフェオレ大福」です。

やわらかな羽二重餅に包まれているのは、白あんに濃縮コーヒーを加えた自家製のコーヒあん。中心には北海道産の生クリームが閉じ込められています。一口食べると、まろやかなコーヒーあんと濃厚な生クリームが混ざり合い、名前どおりカフェオレのミルキーな味わいに。白あんと生クリームの組み合わせは強い甘さを連想させますが、予想に反してすっきりとした後味に驚きました。

大学教授の一言がきっかけで大ヒット商品に

カフェオレ大福
カフェオレ大福

「カフェオレ大福」が誕生したのは1989年のこと。きっかけは洋菓子材料の卸店が「生クリームを使ってみませんか?」と営業に訪れたことでした。

それまではまんじゅうにチョコレートをコーティングしたり、フィリングにバターを使った和菓子を作っていましたが、生クリームを使ったお菓子はありませんでした。どんなお菓子が作れるか考えていたところ、当時作っていた「コーヒーゼリー」が目に止まりました。「カフェオレがあるくらいだから、コーヒーと生クリームは相性がいいだろう」と先代と一緒に商品開発し、「生クリーム大福コーヒー味」として販売を始めました。

ある日、「生クリーム大福」の存在を知った桜美林大学の教授からこんなアドバイスをもらいます。「この大福の商品名、“カフェオレ大福”にした方がいいんじゃないか?」当時はカフェオレやいちごオレがブームで、流行りのネーミングの方がウケがいいと思ったのでしょう。勧められるままに「カフェオレ大福」に名前を変えたところ、瞬く間に評判が広がり、一日平均100個も売れる大ヒット商品になりました。

一升餅・紅白饅頭などオーダーメイド商品にも対応

四十九日餅
四十九日餅(写真提供/御菓子司 わかば)

「わかば」さんでは店頭商品だけではなく、オーダーメイド商品の注文も受け付けています。近隣では大倉山記念館とのコラボレーション菓子「記念館の石だたみ」を製造。

また、個人のお客さまからお子さんの1歳の誕生日をお祝いする「一升餅」や、故人の四十九日の法要でお供えする「四十九日餅」をご用命いただくことも。お祝いごとの定番菓子「紅白饅頭」は、赤・白一組から引き受けています。

過去には頼まれたその日のうちに一升餅を作り、お渡ししたこともあったのだそうです。「お客さまが頼りにしてくださるなら、できる限りお応えしたいと思っています。…当日対応は、材料と作る時間があればですけどね(笑)」

※「一升餅・四十九日餅・紅白饅頭」は、お受け取り希望日の前日までにご連絡ください。当日のご連絡の場合はご相談を承りますが、ご希望に沿えない場合もございます。

「わかば」の和菓子を大倉山散策のお供に

ずんだだんご
ずんだだんご

今回ご紹介した「カフェオレ大福」以外にも、生クリームを使用した大福は「抹茶オレ・生チョコ・ブルーベリー」の常時3種類あります。ほかにもどら焼きや季節限定商品などで、和と洋をかけ合わせた創作和菓子をたくさん見つけられるでしょう。

「わかば 本店」の周辺には緑が豊富で散歩に最適な「大倉山公園」や、横浜市有形文化財に指定されている「大倉山記念館」、世界的建築家・隈研吾氏が手がけた「歓成院」の寺院建築などがあります。お近くの方はもちろん、離れた場所に住んでいる方も、大倉山を訪れる際は、ぜひ「わかば」の和菓子を散策のお供にしてはいかがでしょうか。

【店舗情報】

御菓子司 わかば

住所
◆本店:横浜市港北区大倉山3-63-12
(取扱商品:生菓子・贈答用お菓子)
◆エルム通り店:横浜市港北区大倉山3-29-3
(取扱商品:生菓子)

電話番号
045-531-6233

営業時間
9:00〜19:00
定休日 火曜日

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取材・執筆・撮影/ヤマダユミ