
東京ガス横浜中央エネルギー(ヨコエネ)は、横浜市内の8つの行政区(西区・神奈川区・港北区・都筑区・青葉区・旭区・瀬谷区・鶴見区)にて、東京ガスのサービス窓口を担当しております。そこで、日々地域のお客さま先で働く私たちだからこそ知っている、地元のお店情報をご紹介します。
異国の空気が漂うカフェ
東急東横線・綱島駅から徒歩約4分。路線バスが次々と行き交う幹線道路沿いに、古民家を利用したカフェがあります。「POINTWEATHER」さんは、窓越しに見える積み重なった本のせいか、古書店のような雰囲気を醸し出しています。

扉を開けて中に入ると、正面には鹿の剥製らしきモニュメントが。また、至るところに旅にまつわる本や見たことのない雑貨が、ところせましと並べられています。どこの国とも言い切れない、「遠い異国」の空気がそこには漂っていました。
平日の昼過ぎに伺うと3組のお客さまがいらっしゃいましたが、店内はいたって静か。 ゆっくりと食事を楽しんだり、本を読んだりと、それぞれが思い思いの時間を過ごしているように見えます。

注文を済ませてぐるりと周囲を見渡すと、伝統工芸品らしい織物や黄金の人形、礼拝する人々の姿が収められた写真が。テーブルにはほがらかな顔で楽器を演奏する置物があり、妖精なのか神様なのか……と想像が膨らみます。バスが通る音でハッと我に返ると、「お待たせしました」とランチメニューが運ばれてきました。
スパイスたっぷり、色とりどりのカレーセット
POINTWEATHERさんのランチメニューは、「お惣菜6品とデザートがついたカレーセット」のみで、3種類のカレーから好みのものを選べます。日によってカレーの種類が変わるのは、「毎日同じものを作っていると自分が飽きてしまうから」と、オーナーの寺本さんが笑いながら教えてくれました。
この日はインドネシアのチキンカレー「グライアヤム」、インド西部の港町・ゴア州ゆかりの「ポークビンダルー」、ライムのさわやかな風味を加えた「ライムキーマカレー」がありました。筆者は寺本さんの妻・柚希さんおすすめの「ライムキーマカレー」を選択。プレートの上には、目にも鮮やかなお惣菜が並んでいます。

鮮やかな赤紫色が目を引くのは、マイルドな風味のジャガイモとビーツのカレー。マスタードシードのほのかな香りが口に広がる、「小松菜のトーレン(炒め蒸し)」。「トマトと大根のラッサム(酸味のあるスパイシーなスープ)」はほどよい酸味・辛味が口のなかをリフレッシュしてくれます。豆を煮たペーストとココナッツミルクを合わせた「カボチャのクートゥ(煮込み料理)」は素材の甘さが引き立ち、「豆のダル(ポタージュのようなスープ)」はスパイスの香ばしさがしっかりと感じられます。

メインの「ライムキーマカレー」は、たけのこ・きのこ・いんげん・たまねぎなど、野菜がたっぷり。ライムの風味でさっぱりと仕上がっているため、食欲が落ちる夏場でもモリモリ食べられそうです。
カレーのほかに提供しているのは、寺本さんのお母さまやスタッフさん特製のケーキやプリン。コーヒーやチャイ、ラッシーと一緒に、ランチタイムをゆっくり過ごすときにうってつけです。
世界中を巡った店主が、カフェを開いた理由
寺本さんがお店を始めたのは、26歳の頃のこと。就職氷河期で希望の就職先が見つからず、「ならば、子どもの頃から憧れていた世界を見てみたい」と世界中をふらふらと旅した後のことでした。
「最初は下関から船で韓国に渡って、中国・モンゴル・チベット・インドを旅しました。その後は、飛行機でアメリカ・南米・アフリカ・ヨーロッパを回って……」

そのとき、旅先で出会った外国人旅行者との会話が、お店を開くきっかけになったそうです。
「フランスから来てた人が、『3ヶ月間のバケーション(長期休暇)を取ったんだ』と当たり前のように話すんですよ。日本で会社勤めをしている旅行者は、『休みを3日間取って来た』と話すくらいなのに……。実情を知ったら『自分にはできない働き方だな』と感じて、自由に休みを調整できる自営業を選んだんです。
でも、開業してから自営業には有給休暇がないことに、初めて気づいたんですけどね(笑)」
お店をスタートしたあと、ふらっとメキシコを旅行した際は、帰国後に通帳残高を見て驚いたそうです。
「詐欺にでもあったのかと思ってカード会社に問い合わせたら、『すべてご利用分です』と言われて。旅先で使ってる上に、店の家賃も払ってるんだから『そりゃそうか』って。笑い話にもなりませんよね」
ここではないどこかへ…旅と読書の共通点
その頃、お店ではベトナムのフォーやインドネシアのチャーハンなど、旅先で出会ったエスニック料理を広く提供していました。しかし、30代になると「何かひとつ得意なものを作りたい」とカレーに絞ることに。そこでインドへ渡り、現地のお店で1〜2ヶ月手伝いをしながら、腕を磨いたといいます。現在、お店で提供しているカレーは、インドネシアやタイなど、バリエーションが増えています。
ここで気になったのが、お店のあちこちに陳列されている本です。店の奥には寺本さんが旅のお供に購入した『地球の歩き方』のほか、ガイド本・ノンフィクションエッセイ・児童文学・写真集など、幅広いジャンルの書籍が並んでいます。まるでブックカフェのようですが、どうしてこんなに大量の本を置いているのか、伺いました。

「『旅が好き』と言うと、選ばれし人みたいに思われてしまうんですけど、その本質は好奇心だと思ってるんですよね。好奇心が外側に向く人は旅をするし、内側に向く人は読書をするのかな、と。どちらも『ここじゃないどこか』を求める行為なんだと思ってます」
この言葉を聞いて、日常から切り離されたような独特の雰囲気や、思い思いに時間を過ごす人たちの姿が、頭のなかでピンとつながりました。このお店は好奇心の赴くままに、自分の内側を旅する場所でもあるようです。
非日常感のあるカフェで、旅気分を味わう
ネイティブ・アメリカンのホピ族がつくる精霊「カチナドール」、妙にリアルなお面、スリランカのお坊さんを模した人形。不思議なものばかり並んでいるこのお店では、自然と旅気分が味わえます。

扉を開けた瞬間、日常のざわめきが遠のいていく不思議なカフェ「POINTWEATHER」。訪れるたびに違う一皿と出会えるお店に、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
注)当記事でご紹介した商品の価格・サービスは、2026年5月時点のものです。「POINTWEATHER」さんにインタビューを行い、いただいたコメントを編集して掲載しています。
店舗情報

住所
横浜市港北区綱島西1-14-18
営業時間
火〜日 11:30〜16:00(LO 15:30)
金 18:30〜19:00
定休日
月曜日、ほか不定休
電話番号
045-542-2694
SNS
取材・文・撮影/弓橋 紗耶
作成:2026年5月