
東京ガス横浜中央エネルギー(ヨコエネ)は、横浜市内の8つの行政区(西区・神奈川区・港北区・都筑区・青葉区・旭区・瀬谷区・鶴見区)にて、東京ガスのサービス窓口を担当しております。そこで、日々地域のお客さま先で働く私たちだからこそ知っている、地元のお店情報をご紹介します。
元建築士のご夫婦が作り上げた自宅カフェ
大倉山駅から徒歩4分。階段を登った先の高台にある住宅街に、ひっそりとたたずむ隠れ家カフェがあります。2013年にオープンした「Cafe Roof Okurayama」は、元建築士の菊池ご夫妻が自宅を改装して作り上げたお店です。

入口を抜けると、一軒家のお庭にお邪魔しているようで、あまり店舗感がありません。靴を脱いで入ると、正面の大きな窓からは柔らかな光が差し込んでいました。スリッパに履き替えると、まるで友人宅を訪ねているような気分になります。
高台ならではの眺めを楽しんでいると、右手には横浜市指定有形文化財である大倉山記念館が見えます。店内にはオーナー夫妻が所蔵する建築や美術・旅行、子どもの本などがぎっしりと並んでいる本棚も。これらは自由に読むことができ、妻の恵子さんによると、「『続きを読みたい』とおっしゃる方には、本の貸し出しもしている」そうです。

また、入口付近にはお店の常連客でもある東京・蔵前の古書店、「フローベルグ」さんがセレクトした絵本も置かれており、気に入ったものがあれば購入もできます。

温もりが感じられるアットホームな空間のせいでしょうか。ここでは本を読んだり、編み物をしたりと、2〜3時間ゆっくりと過ごす方が多いそうです。初対面のお客さま同士で、会話が弾む場面もよく見られます。
天然酵母で長時間熟成されたワッフルとベーグル
お店の看板メニューは、手作りのベーグルとワッフルです。どちらも国産小麦とホシノ天然酵母を使い、長時間熟成させた生地で作られています。
この日は、人気の「ワッフル・ベーグルセット」をいただきました。ワッフルは2種類から、ベーグルは6種類から、それぞれ1つずつ選べます。今回は「プレーンワッフル」と、「スモークサーモンとクリームチーズのベーグル」をお願いしました。

写真の「マサラチャイ」は+50円(税込))
運ばれてきた小ぶりのベーグルにかじりつくと、外側のカリッとした食感がたまりません。中はもちもちしていて、噛めば噛むほど小麦の甘さが感じられます。定番のスモークサーモンとクリームチーズの組み合わせは、間違いないおいしさでした。
次にワッフルをいただくと、よくある「ふわふわ」とした食感ではなく、しっかりした生地にびっくり。パン種で作られているため、食べ応えがあります。今回オーダーしなかった「ハムとチーズのワッフル」は、生地の中に具が入っている、珍しい一品だそうです。
一緒に注文したチャイは、横浜元町の紅茶専門店「MITSUTEA」のオリジナル茶葉を使ったもので、好みの甘さに調整できます。まろやかな紅茶の味わいと、ワッフルの相性が抜群でした。
セカンドキャリアをのんびりと楽しむ

60代でお店を開業した菊池さんご夫婦は、40代半ばから「退職したらどうしようか」と話し合い、準備を進めてきました。
「子どもたちも独立している頃だし、『定年後は二人で何をしたらいいかな』って考えてたんですよね。とはいえ、どこかに働きに行くのは大変だし、自宅で何かできるのが一番いいかなと思っていて……。そんなことをぼんやり想像しながら、私はパン教室に通ったり、主人はコーヒーの淹れ方を勉強したりしていました」
一足先に仕事を辞めた夫の稔さんは、大学山岳部のOBとして、世界七大陸の最高峰を登頂するプロジェクトに挑戦。「最後に登ったのは、スイスのマッターホルンとフランスのモンブランですね。3週間ぐらいかけて、続けて登ったんですよ」と語ります。

その後、妻・恵子さんが退職したタイミングで、カフェ開業に向けて本格的に動き始めました。自宅の改装をご夫婦で手がけ、出窓だった部分をカウンターにしたり、庭にウッドデッキを作ったりと、開放的な空間に仕上げていきました。
「この眺めや雰囲気を楽しんでもらいたいので、『ゆっくりこの場所を楽しんでもらうこと』をコンセプトにしています」

そして、パン教室で学んだレシピをもとに、恵子さんがベーグルやワッフルなどの食事を、稔さんがコーヒーを担当。パティシエである娘さんは、ケーキ作りをサポートしています。
稔さんは、コーヒー豆を仕入れている地元の人気店『TERA COFFEE』のオーナーと知り合いで、おいしい淹れ方を直接教えてもらったそうです。使うコーヒー豆は営業日の朝に仕入れ、注文が入ってから挽くことで、新鮮で風味豊かな一杯が楽しめます。酸味が少なくて飲みやすい深煎りコーヒーを提供しています。
お店にはおしゃべりを楽しむ40〜50代のお客さまのほか、小さなお子さん連れも多くいらっしゃいます。靴を脱ぐスタイルにしたことで、ねんねやハイハイ時期の赤ちゃんと一緒でも、安心して過ごせるお店になりました。
「今年でオープンして13年目なので、初めから来てくださっているお客さまのお子さんは、もうすっかり大きくなっているんです。成長を見守れるのがうれしいですね」
当初は「10年続けること」を目標にしていたご夫妻。節目を越えたことで、「今後はのんびりとお店を続けていきたい」とのことです。
天然酵母の手作りワッフルで、ゆったりとした時間を

お店では、月に一度はワークショップを開催しています。ステンドグラスの制作やスケッチなど、種類はさまざま。終了後にはランチやカフェを楽しめます。
11月はステンドグラスやお花、アクセサリー作りのワークショップが開催予定。詳細はホームページやInstagramでご確認ください。
高台の景色を眺めながらのティータイムは、ホッと心もゆるみます。今シーズンは「読書の秋」にふさわしいゆったりとした時間を、「Cafe Roof Okurayama」さんで過ごしてみてはいかがでしょうか?
注)当記事でご紹介した商品の価格・サービスは、2025年10月時点のものです。「Cafe Roof Okurayama」さんにインタビューを行い、いただいたコメントを編集して掲載しています。
店舗情報

住所
横浜市港北区大曽根1-2-2
営業時間
11:00-17:00(L.O.16:30)
※できるだけご予約をお願いいたします(3時間以内のご利用をお願いしています)
定休日
月・木・日
電話番号
045-716-9063
ホームページ
https://www.okurayama-roof.com/
SNS
取材・文・撮影/弓橋 紗耶
作成:2025年10月