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2025.07.21

横浜まち情報

元アイス嫌いのオーナーが生み出す絶品スイーツ、地産地消のジェラート店「Nicolita」

東京ガス横浜中央エネルギー(ヨコエネ)は、横浜市内の8つの行政区(西区・神奈川区・港北区・都筑区・青葉区・旭区・瀬谷区・鶴見区)にて、東京ガスのサービス窓口を担当しております。そこで、日々地域のお客さま先で働く私たちだからこそ知っている、地元のお店情報をご紹介します。

地元横浜の隠れた名産をジェラートで

横浜市営地下鉄センター北駅から徒歩6分。住宅街の一角にある「Nicolita(以下、ニコリータ)」は、2025年3月末にオープンしたジェラート専門店です。店名は「ニコニコ」と「利他的」を組み合わせた造語で、オーナーの髙橋智子さんが「お客さまにも生産者さんにも喜んでもらいたい」という想いを込めて名付けました。

店内に入ると、円盤型のジェラートケースが存在感を放っています。お店のこだわりは「地産地消」。可能な限り、小規模生産のために市場にはあまり出回らない横浜市内産の野菜や果物を使い、ジェラートを作っています。

髙橋さん曰く「ジェラートはアイスクリームより、素材の味をダイレクトに楽しめるスイーツ」とのこと。一般的にアイスクリームとジェラートでは、空気の含有量に違いがあります。アイスクリームが50〜60%以上の空気を含むのに対し、ジェラートは30%程度。空気が少ない分、ジェラートの方が果物や野菜の風味がしっかりと感じられるそうです。

(画像:「Nicolita」プレスリリースより)

その濃厚な味わいを生み出す素材は、一から下処理が行われています。先日はえんどう豆をジェラートにするため、大量のすじ取りをしたのだとか。「出来合いのピューレなどを買えば楽なんですが、それだとここでやる意味がありませんから」と苦笑しながら教えてくれました。

ナスにコショウ!? 毎週変わる、個性的なフレーバー

お店では、果物系・チョコレート系・お茶系・野菜系のジェラートを、常時8種類提供しています。

定番の「プレミアムハニー&ミルク」以外は毎週フレーバーが変わるため、訪れるたびに新たな発見がありそうです。珍しい野菜のジェラートは、ナス・小松菜・スナップエンドウ・人参など、味が想像しにくいものばかり。

取材当日は、「プレミアムハニー&ミルク」と「ナスチー」をいただきました。「プレミアムハニー&ミルク」は、神奈川県山北町の牛乳と、国産の生はちみつを使用。口に運ぶと、はちみつの鮮烈な香りが鼻腔に広がります。ミルクアイスは滑らかで濃厚な味わいで、「今まで食べてきたものとは次元が違う……!」と感動。

続いて、「ナスチー」にも挑戦。シロップ漬けにされたナスの甘い果肉と、チーズの風味が相まって、不思議と絶妙なハーモニーを奏でています。ここですすめられたのが、コショウと七味です。

「プレミアムハニー&ミルク」と「ナスチー」の2種類盛り 700円(税込)

「お好みでふりかけると、味変になりますよ」という言葉に、半信半疑でコショウをふってみると、さらにおしゃれで大人な味に……!次に七味をふりかけると、一気に和スイーツへと変貌しました。この「ナスチー」、一度ならず二度三度と驚かせてくれます。ここでしか食べられない、唯一無二のくせになるジェラートでした。

一大決心から7ヶ月でお店を開業

髙橋さんはパラレルワーカーで、ジェラート店のほかに、本業で広報・マーケティングの仕事をしています。ジェラート好きが高(こう)じて開業した……と思いきや、「もともとはアイスもジェラートも好きじゃなかった」のだそう。

きっかけは昨年の夏。何気なく情報番組を見ていると、鎌倉市にある有名ジェラート店のオーナーが、「ジェラートは数字でコントロールする」と話しているのが耳に止まったことでした。「マシンを使って緻密(ちみつ)に計算することで、おいしく滑らかにできるんです」。その言葉に、普段の仕事が思い起こされたと言います。

「スイーツは作り手の舌と腕で決まると思っていたんですが、自分の仕事と同様に、数値化されていることに感動を覚えたんですよね」

気になって翌週にお店を訪ねて食べてみたところ、「ジェラートってこんなにおいしいんだ……!」と初めて実感。「これなら自分にもできるかもしれない」と突如ひらめきました。

「今までおいしいジェラートをあまり食べたことがなかったから、自分が本当においしいと思えるものを作ればいいんじゃないか、と思って」

もともと料理が好きだったこともあり、どの組み合わせでどんな味になるか、何となく感覚は持っていました。加えて、長年都筑区に住んでいたことで、近くで新鮮な野菜や果物が採れることを知っていたものの、一部の人々にしか認知されていないことに、課題感を覚えていたそう。そこで、「地元の素材を使ってジェラートを作ってみたらどうだろう」と思い立ったのだと言います。

「作り方は数値で管理するので、普段の仕事に近いところがあります。なにより、地元のセンター北はチェーン店が多く、個人経営のお店がほとんどないことにも寂しさを感じていたのでやってみようと思って」

「ジェラート店を開業する」という突拍子もないアイディアを聞いた家族は、「またか」と半ば呆れていました。本人曰く、「感覚で行動するタイプで、過去に車も衝動買いしちゃったんですよね(笑)」とのこと。それでも、飲食店開業は買い物とは違います。家族は「今回はさすがに実現しないだろう」とたかをくくっていました。

しかし、周囲の「できないだろう」という空気を感じたことで、チャレンジ精神に火がつき、見えない何かに突き動かされるように創業準備を開始。開業を決めてから4ヶ月後には、物件を契約していました。

本格的にジェラートの試作に入ったのは、なんとオープンを控えた3月から。「プレッシャーに押しつぶされそうにならなかったのか」と伺うと、「私、緊張感が楽しめるタイプなんですよね」と軽やかな笑みを浮かべます。

オープン後の評判は上々で、帰り際に「おいしかったよ」と声をかけてくれるお客さまも多いのだとか。親子連れのお客さまから、「子どもは大手アイスメーカーのものは一人前食べきれないのに、ここのジェラートはあっという間に完食してしまった」と驚かれたこともあったそうです。

今夏はユニークなジェラートを召し上がれ

今シーズンも旬の素材を使ったフレーバーが続々と登場予定です。店内のイートインスペースのほか、店外にはペットOKのテラス席もあるため、お出かけ途中のクールダウンにもおすすめです。

毎週フレーバーが変わるため、どんなジェラートに会えるかは、行ってみてからのお楽しみ。初めて訪れる方は、おすすめメニューから試してみてくださいね。今年の夏は、あなたも驚きのジェラートを味わってみませんか?

注)当記事でご紹介した商品の価格・サービスは、2025年6月時点のものです。「Nicolita」さんにインタビューを行い、いただいたコメントを編集して掲載しています。

【店舗情報】

Nicolita

住所
横浜市都筑区中川7-2-3 102号

営業日
木・金・土・日

営業時間
12:00〜18:00
(最新情報はInstagramにてご確認ください。)

電話番号
045-511-7359

SNS
Instagram

取材・文・撮影/弓橋 紗耶

作成:2025年6月