2024.11.18
横浜まち情報
豊洲直送の海の幸×日本酒のマリアージュが楽しめる「旬菜鮮魚そざいや」
東京ガス横浜中央エネルギー(ヨコエネ)は、横浜市内の8つの行政区(西区・神奈川区・港北区・都筑区・青葉区・旭区・瀬谷区・鶴見区)にて、東京ガスのサービス窓口を担当しております。そこで、日々地域のお客さま先で働く私たちだからこそ知っている、地元のお店情報をご紹介します。
今回ご紹介するのは、横浜市港北区にお店を構える「旬菜鮮魚そざいや」さんです。2024年7月にリニューアルオープンしたばかりの和食店には、全国から取り寄せた日本酒と、新鮮な海の幸をぜいたくに使った料理の数々が揃っていました。
「飲めない」オーナーが厳選した日本酒と鮮魚料理が評判を呼ぶ
東急東横線大倉山駅を出て、エルム通り商店街を歩くこと3分。東京ガスライフバル横浜港北 大倉山店の向かいに、落ち着いた雰囲気の「旬菜鮮魚そざいや(以下、そざいや)」さんが見えてきます。
お店に入ると、カウンターの奥にずらりと並ぶ、全国各地の日本酒のボトルが目に入ります。さぞかしお酒に詳しい方が店主なのだろうと思っていたら、オーナーシェフの室塚 幸彦さんは「あんまりお酒が飲めない」のだそう。意外な答えに驚いていると、「全部試飲したら大変なことになっちゃうので、説明書を熟読して厳選しています」と苦笑します。それでも、最近は日本酒の注文が多く入るようになり、カウンターで一人しっぽりとお酒をたのしむお客さまが増えてきたのだとか。
お店では、マグロ・サーモン・赤海老など、毎朝豊洲市場から直送される鮮魚を使った料理を中心に提供しています。室塚さんはすべての料理の仕込みから調理まで、すべて一人で担当していると言います。「カウンターのお客さまとお話するのが楽しみなんですが……忙しいときはなかなかそうもいかなくて。」今年7月にリニューアルオープンして以来、徐々にお客さまが増え、満席になってしまう日もあるようです。
毎日食べても飽きない、こだわりのお魚ランチメニュー
「そざいや」さんのランチメニューは、全部で9種類あります。なかでも週替わりの「焼き魚定食」と、4種の鮮魚が楽しめる「お刺身定食」が人気で、ほぼ毎日来店されるお客さまもいらっしゃるそうです。
取材当日にいただいたのは、当日の仕入れ状況で変わる日替わりのおすすめメニュー、「カンパチの漬け丼」です。丼に盛られたあでやかな切り身は、新鮮さが伝わってくるほどの透明感で、その甘味は格別。2種類の小鉢(こばち)・香(こう)の物・みそ汁が添えられ、ヘルシーながらも満足感の高い一品でした。
ディナータイムには刺身・焼き物などのグランドメニューに加え、「毎日自分で考えて、手作りしている」というおすすめメニューがあります。どれもおいしそうだと目を走らせていると、「うわさの唐揚げ」という気になるネーミングの料理が。「このうわさの唐揚げって……?」と聞くと、「1個単位で注文できる、鶏の唐揚げなんですけどね。こうやって書いておけば、スタッフがお客さんと会話するネタになるかなと思って(笑)」といたずらっぽい眼差しを向けられました。
さらに、「そざいや」さんでは「今月の原価売り」と題して、月替わりで旬の魚介をリーズナブルな価格で楽しめます。取材日は宮城県産の焼き牡蠣(がき)が2個で550円(税込)という、驚きの価格で提供されていました。
一風変わったメニューでコミュニケーションを生む、お店作り
室塚さんは高校を卒業後、実家の居酒屋を手伝い始めたところから、料理人としてのキャリアをスタートさせました。しばらくして、「もっと視野を広げたい」と京懐石(きょうかいせき)料理のお店で修行を始めたところ、「これが予想以上にハードな日々だった」と振り返ります。「毎朝7時頃にはお店に行って、帰るのは終電。お昼ご飯は立って食べるのが当たり前っていう世界で、当時は一日でも早く辞めたいと思っていました(笑)でも、今の僕の料理のベースは、すべてそこで学んだものですね。」
その後、海鮮料理をメインとした居酒屋で10年間勤めていたところ、「そざいや」の前身である、農家直営の野菜ダイニングの料理長を務めることに。それから約4年間腕をふるっていましたが、オーナーの引退を機に、オーナーシェフとしてお店を引き継ぐことになりました。野菜メインの料理から得意の鮮魚料理へと方針転換したところ、「魚のメニューが充実していてうれしい」と喜びの声をいただくことが多く、以前と比べて男性のお客さまが増えたそうです。
リニューアルオープンから2ヶ月が経った頃、席の片付けをしていたスタッフが、1枚のメモ書きを見つけました。それは、お客さまからの置き手紙で、「ほんとうにおいしかったです。またくるのでたこをよういしててください」とお子さまが書かれたと思われる文字が書き連ねてありました。
お店を軌道に乗せるため、朝から晩まで奔走していた室塚さん。この手紙を見た瞬間、涙が込み上げてきたそうです。「タコは毎日仕入れてますから。いつまたお店に来てもらっても大丈夫です」と目を細めました。
オーナーシェフになってから、遊び心を持って、メニュー作りに取り組んできた室塚さん。「巨大なグラスでビールを提供したり、コース料理のお通しにあえて寿司を出してみたりすることもありますね。『何これ!?』ってお客さんに驚いてもらうことで、記憶に残るお店になればいいなと思って。こういうの、好きなんですよね(笑)」
これらの演出はすべて、「お客さまとのコミュニケーションのきっかけになれば」という想いがあってのこと。「今の時代、モバイルオーダーは確かに楽だけど、対話の時間を大切にしたい」と語ります。取材当日、ランチタイムのラストオーダーの時間に伺うと、カウンター席にお客さまがいらっしゃいました。「確か数ヶ月前にけがしていらっしゃらなかった?」「あ、もう全然なんともなくて……」となごやかなやり取りを耳にし、お客さまとの遠すぎない距離感が、お店の温かな雰囲気を作り出しているように感じられました。
「そざいや」さんで、心も体も温まる時間を
「そざいや」さんをランチタイムに訪れるなら、13時以降が狙い目です。前日までなら予約も受付しているため、確実に入店したい方は事前にお電話ください。(当日は12時までに来店要)
これからの季節は、白子やあん肝・鍋料理など、冬の味覚が楽しめます。コース料理もあるため、年末年始の宴会利用もおすすめです。また、新年に合わせて、昨年大好評だったおせちも販売する予定とのこと。詳細はInstagramにてご確認ください。
新鮮な魚介と心温まるおもてなしが魅力の、「旬菜鮮魚そざいや」さん。日本酒とのマリアージュを楽しみたい方は、ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。
注)当記事でご紹介した商品の価格・サービスは、2024年10月時点のものです。「旬菜鮮魚そざいや」さんにインタビューを行い、いただいたコメントを編集して掲載しています。
【店舗情報】
住所
横浜市港北区大倉山3-29-1 カキヌマビル1F
営業時間
ランチ :火~日・祝日 11:30~14:00(L.O.13:30)
ディナー:火~土・祝日 17:30~22:00(L.O.21:15、ドリンクL.O.21:25)
定休日
月曜日
日曜日のディナー営業
電話番号
045-947-2867
取材・執筆・撮影/弓橋 紗耶